玉川ナンパでマダムと出会う

「たまたか神話」って知ってる?そう、それは「ハイソな街”二子玉川”にある、これまたハイソな百貨店”玉川高島屋”。そこには、ハイソで美しいヌレヌレ熟女たちが集い、ナイスガイたちに声をかけられるのを、今か今かと待ちこがれているらしいよ!」という、グラマラス&セクシーなスペシャル神話なんだ。もちろん、これはあくまで噂の域。っていうか、そんな都合のいい百貨店があるわきゃないんだけど(笑)、ナンパライターな俺としては、当然試してみるっきゃないでしょう!

ヨメのママ上名義の国産ステーションワゴンに乗って、おいらはたまたかへむかった。たまたかマダムのことだから、ビーエムの3ドアクーペなんぞに乗って買い物に来ているかもしれないが、もしもの時の足まわりはよくしておきたいというオレの判断だ。到着するとオレは駐車場にクルマをブチ込み、早速たまたかの店内に向かう。するとまあ、いるわいるわ、人妻が。中には人妻じゃなさそうなのもいるけど、なんにせよ、客は女ばっか。
八甲田山のふもとに住む、童貞の中学生が見たら、射精しちゃいそうな…というのは言い過ぎだが、な~んかイイ雰囲気のオイシそうな女がゾロゾロ歩いてますぜ、ダンナ!

とはいえ、そこらを歩いてる女に片っ端から声をかけても効率は良くないだろうし、第一そんなことしてたら警備員がスッ飛んできて、しょっ引かれるに決まってる。まずは女ばかりの店内で、オレがいてもおかしくない場所を探し、自然な出会いに持ち込むべく、店内を散策してみることにする。

しかしまぁ、どれも女向けの店ばっかりだから、オレが一人でフラフラしてると、浮くわ浮くわ。仕方がないので、ヒマなヤツがいそうな屋上に行ってみる。ペットショップがあったりして、感触としては悪くないんだけど、遊具やゲームがあったりして、子供連れが多いんだよね。しかもおばあちゃん付き、とか。

子供をダシに近づくっていうのも手なのかもしれないけど、オレとしてはナエナエ。ここはあっさり引き上げ、フロアを上からもう一度見ていくことにした。2~3フロアも見て回った頃、エスカレーターを降りていくと、一人でふらふら歩いてる女が目に入った。その女はエスカレーターの脇まで歩いてくると、デパートなんかでよくあるような、ベンチに腰を下ろした。

オレはすかさず近寄り、別のベンチに腰を下ろす。見ると、女はタバコに火をつけ、プカプカふかしながらケータイメールをチェックしているようだ。オレはタバコを取り出し、「アレおっかっしーなぁ」とライターを探すフリをしたあとで、「すみませ~ん、ライター貸してもらえますかぁ」と女に言った。「あ、どうぞ…」とライターを貸してくれる女。オレはタバコに火をつけて、ライターを返しながら、「どうもありがとうございます。買い物ですか?」と、話しかける。

「ええ、まあ…」
「ここはよくくるんですか?」
「ええ、家が近いんで、まあ、ちょくちょく…」
どうも、女の反応が固い。女の方も「なんだコイツ」と思ったらしく、ペコッと会釈をしてエスカレーターで下のフロアに降りていってしまった。

まあ、最初っからうまくいくわきゃねえか。

さらに人妻ゲットを目指して店内を歩きまわったオレだが、そろそろいい加減疲れてきた。本館から南館へ移ると2Fにあるアフタヌーンティー・ティールームに入り、一休みすることにした。
ご存知の人もいるかと思うが、アフタヌーンティーは家具、バッグなどを販売し、あのスターバックスの経営母体でもあるサザビーがやってる、インテリア雑貨のショップだ。そのショップに併設されているのがティールーム。紅茶やらスコーンやらを出す、女のコウケのいい喫茶店だ。
客はまばらだが、男の一人客がいるのをのぞけば全部女。浮くかもしれないが、何かチャンスがあるかもしれないし、何より一体みしたかったオレは、迷うことなくテーブル席に着いた。
ほかの客は2~4人連れのグループがほとんど。中には親子連れのような二人組もいる。いずれも「仕事の途中にちょっと休憩」という雰囲気ではなく、「今日はヒマだからお買い物に来ちゃいました(はあと)」という連中ばかのようだ。
オレが店に入った直後から、次々に客が入ってきた。「おっ、あの女いいジャン」てな具合で品定めをしているうちに、店はほぼ満席。しかも、コレまた全部女だ。
オレの前に入っていた男の一人客も、まわりが気になるようで、しきりにキョロキョロしている。もしかして、こいつもナンパ目的かそんなことを考えながら、クレープのオレンジカラメルソースがけをおいしくいただいているオレの正面の席に、30前後の女の一人客が座った。それほど美人というわけではないが、品が良さそうな身のこなし。バッグ、服などもそれなりのものを身につけている。
いい女って訳でもないんだけど、雰囲気があるんだなで、オレはクレープをモグモグしながら、チラチラとその人妻(勝手に断定)の様子をうかがった。
すると、それを知ってか知らずか、向こうもこっちをチラチラ見てるんだよね。まあ、真っ正面に座って、顔を上げりゃあみえちゃうんだから、ちょっとぐらい見たってどうってことけどさ。でも、たまたま見ちゃったっていう感じじゃなく、明らかにこちらのことを意識しているようだ。クレープを食べ終えたオレは、文庫本を広げては見るものの、日の前の視線人妻への注意は怠らない。
そんなこんなで、二人の目が合うのには、そんなに時間はかからなかった。「こんちは」みたいな感じで会釈すると、驚いたような顔をしたもののほほえみを返してきた。そのあとすぐに、恥ずかしげにうつむき、ほかの方向に目をそらしてしまつたのだが、とりあえずはこんなモンだろう。
いきなり向こうの席に歩いていって、「こちらいいですか?」とやったり、ウエイトレス(コレまたかわいいコぞろい。近所に住んでたらゼッタイ通うね)にたのんで、ウエイトレス「シフォンケーキになります」
人妻「え?私、頼んでませんけど」
ウエイトレス「あちらのお客様からです」
オレ(白い歯を輝かせながらスマイル)なんてのはちよっとやり過ぎだろう。
その人妻のオーダーは、ケーキと紅茶。食べ終え、ちょっと時間をおいたところで、オレは席を立ち勘定を済ませた。

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